中国では、記者やネット作家が「国家機密」の内容を発信すると入獄させられてしまう。
「国家機密」の内容には西洋観念に関する内容も含まれており、「7つの教えてはならないこと」として中国共産党から禁止命令が出ている。
それは、大学・高校など教育の場で「①西洋的価値観 ②報道の自由 ③市民社会 ④市民の権利 ⑤中共の失政 ⑥共産貴族の存在 ⑦司法の独立など、西側の価値観を教えるな!」というものだ。
「すでに、学生はネットで、知っているのに」と思ってしまいます。
この「七不講」という通達を中国当局が各大学あてに通知したということで上海華東政法大学の張雪忠講師がミニブログ「微博(ウェイボ)で明らかにしたのです。
共産党勢力の浸透を目的としているが、果たしてどこまで規制ができているのか?
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「切断された報道の自由の翼」
(リンク)
5月3日は世界ニュースの自由の日です。中国人が知っておくべき、かつ記念すべき日に、今年もまた自由なき牢獄と恥辱のもとに過ごさなければなりません。
《中国は依然として記者とネット民の最大の監獄》
現在、中国の監獄には依然として高瑜女史ら29人の記者と73人のネット作家、ブログ主催者が繋がれています。その大多数は何が理由で入獄させられているのかすら「国家の機密」ということで外界からは伺うすべもありません。少しまえに71歳の高瑜女史が中国当局に有罪判決を受け、7年の刑に処せられました。これは彼女の人生で3度目の入獄で、その二回とも「国家機密」関連です。今回の入獄は情報があって、「理由」は彼女が「7つの教えてはならないこと」ー県級の単位までに配られた9号文件ーを漏らしたから、というのです。( 注;「7つの教えてはならないこと」;大学・高校など教育の場で「❶西洋的価値観❷報道の自由❸市民社会❹市民の権利❺中共の失政❻共産貴族の存在❼司法の独立」など西側の価値観を教えるな、という中共命令)
中国における情報の伝達はその人の政治的身分階層によって決まります。内部文件制度があって、外部にその内容を漏らすというのは大変危険なことで、なぜなら当局の目から見ると「内部文件」というハンコさえ押してあればたとえその内容が最下部まで伝わっているようなことでも(*8000万人の中共党員がみな知ってても、ですな)、依然として「国家機密」であって、これによって罪に落とされた人はまだたくさんいるのです。拙著「霧に閉ざされた中国」で早くから言ってきたことですが、中国政府の情報コントロールは情報の供給と配布は政治的な階層を基準にして機密・秘密にあずかれる等級が違うのです。この階級制度そのものが報道の自由に反し、反人類文明的なものです。
ですから、高瑜女史の三度の入獄は、自らの一生をつかって中国の報道封殺という障壁を突き動かそうとした行為なのです。中国のニュース封鎖というこの壁はすでに獄につながれた、そしてまだつながれていないが同様のまだ獄につながれていない記者や作家たちによって八方破になっており、崩れる日も遠くはないでしょう。米国国務省は4月27日に「報道の自由」活動を開始しました。国務省は今週、毎日弾圧を受けているジャーナリストに注目して、人々に重点的な人物に注意を喚起してきましたが、今年の「報道の自由」活動の第1番に紹介されたのは中国の高瑜女史でした。
《手枷足枷を科せられる外国ジャーナリスト》
国内のジャーナリストは一部の人々は共産党の代弁者となり、大多数は迫られて枠内で規則を守っていますが、依然として少数の人々は報道の自由のために刀の刃の上を渡るような日々を送っており、しょっちゅう政府によって管理されるこの刀で切られ、職を失い、報道業界から追放され、罪状が重いとみられれば監獄行きです。ここ数年、このニュース管制の刀は外国記者にも及び始めました。
(中略)
中国の改革開放30年で、他の方面の変化を『進歩』ということができたとしても、ニュース管制に関しては『進歩』などといえたものではありません。改革前、中共当局が管制を敷くことができたのは中国国内だけでしたがいまや「時代とともに進歩」して、国外、例えば香港や台湾にも共産党勢力を浸透させ、海外の大多数の中国語メディアを自らの宣伝部隊としました。こうした厳しい管制と圧力は中国人の報道の自由に対しての戦いを日増しに困難なものにしています。
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