コロナウィルスによる社会的混乱が続いています。こうした感染症の爆発的増加、いわゆるパンデミックの後に社会に大きな変革がもたらされる。この事実は歴史が証明しています。
その一例として、14世紀のヨーロッパで流行したペストがあります。
ます、以下の「西日本新聞」さんおの記事を紹介します。リンク
■ペストはヨーロッパ社会に与えた影響は、少なくとも三つあった。
・第一に、労働力の急激な減少とそれに伴う賃金の上昇。農民は流動的になり、農奴に依存した荘園制の崩壊が加速した。
・第二は、教会の権威の失墜。ペストの脅威を防ぐことのできなかった教会はその権威を失った。
・第三は、人材の払底。それはそれまで登用されることのなかった人材の登用をもたらした。結果として、封建的身分制度は実質的に解体へと向かった。同時にそれは、新しい価値観の創造へと繋がった。
半世紀にわたるペスト流行の後、ヨーロッパは、ある意味で静謐で平和な時間を迎えたという。それが内面的な思索を深めさせたという歴史家もいる。そうしたなかで、ヨーロッパはイタリアを中心にルネサンスを迎え、文化的復興を遂げる。
ペスト以前と以降を比較すれば、ヨーロッパ社会は、まったく異なった社会へと変貌し、変貌した社会は、強力な主権国家を形成する。中世は終焉を迎え、近代を迎える。これがペスト後のヨーロッパ世界であった。
以上、引用終わり。
この大転換の背景には、パンデミックによる人口減少や社会不安以前に、そもそもヨーロッパ社会全体が大きな転換点を迎えていたという事実があります。
国家統合の面では、多くの諸侯領(封土)で分割された国土から強力な王権による統一国家の誕生へと向かっており、芸術・文化面では、これまでの教会権力に変わって人文主義が勃興し始めていました。
あらゆる面で旧秩序の機能不全と新たな社会の枠組みへの期待が高まっている一方で、残存する既存の体制や価値観が新たな可能性に蓋をしていた時期でもありました。
そしてこれは現在の社会状況とも酷似しています。
既に社会は私権統合とアメリカ支配の限界を迎えており、人々は意識の深い部分で新たな社会秩序と統合軸を渇望しています。
社会変革の潜在的な基盤は既に整っており、今回の感染症はそれを塞いでいた蓋を崩壊させる事になる。
今回のコロナショックは、その終焉後には全く新しい社会が誕生するでしょう。
それはこの騒動を仕掛けた勢力の想像をも超えた社会、まさに人々の意識潮流と共認形成によって統合される社会です。
染症は社会のあり方が流行の様相を規定し、流行した感染症は時に社会変革の先駆けとなる。そうした意味で、感染症のパンデミックは社会的なものとなる事をこれまでの歴史は示しています。